牛肉は好きですか?
こんにちは、さいじょーです。
もうはるか昔になるのですが、僕はそこそこ規模の大きな農業高校の出身でして、
(後から調べたら農業を学ぶ学校だけに、どこもそこそこ規模が大きい。笑)
学科は畜産、専攻は養鶏をとってました。
とは言え、3年間のうちの約半分は、畜産も農業も基礎的なことを一通り学びます。
その中で知った(学んだ)農業・畜産のあれこれをご紹介しましょう。
これを知った今、街中でいろいろ見つけると、「あれれ~、おかしいぞ~」となるのです。
いくつかありますが、本日のテーマはこれ。
「国産牛と黒毛和牛」
ここはみなさんご存じの方も多いかと思います。
食用として出回る牛にはいくつか種類があります。
こんな感じ。
「黒毛和牛」とは、日本古来の種である和牛のうち黒毛和種という品種を指し、
その中でもそれぞれの県で定められた規格をクリアできたものがブランド牛として高値で取り引きされています。
兵庫県が登録したオスの親を持ち、出生から肥育、流通までを兵庫県で行った牛がまず「但馬牛」という名を与えられ、
その中でも肉質や脂の質諸々の厳しい企画をクリアすると「神戸ビーフ」の名を与えられるのです。
よく「A4―8」とかいう表記を見ませんか?あれです。
牛1頭当たりから採れる肉の量(歩留まり)をABCの3段階、
※ここは実は味や質にはあまり関係ない。
肉質や脂の質を1~5の5段階、
さらに脂(サシ)の入り方を1~12の12段階でランク付けされ、「A5-12」が最強の牛肉、というわけです。
高校生時代のノートが出てきたので貼っておきますね。
懐かしいなぁ。
もう10年近く前ですよ。
僕の通ってた農業高校は数学や英語は中学レベルでしたが、
専門分野は毎日こんなことを授業でしてました。
だから当時は 畜産業界の時事にも関心を持っていたのですが、
日本一と言われる松阪牛なんかだと、最高の肉質の牛は1頭数千万円の値段がつくことがありますね。
単純にあれはヤバいです。普通ランクの牛は数十万円台が相場です。
大間の本マグロに億単位の値がつくのと似ています。完全に質をしっかり備えたハイブランドです。
対して、国内で生まれ国内で育てられた牛であれば、基本的に国産牛を名乗れるのです。
例えばオスの乳用種や、
F1と呼ばれる乳用種に和牛の仔を産ませた交雑種なんかもあります。
つまりは焼肉店やスーパーで自慢げに「国産牛」や「黒毛和牛」と掲げられていたとしても、
国産牛なんてありふれているし、「C1-1」であったとしても黒毛和種の肉なら「黒毛和牛」という表記もできるのです。
なのでそういった表面上の表記にまどわされることなく、きちんと質で選びましょう。
しかしこればっかりは用途と好みによりますので一概に肉質等級の低い肉が悪いとは言えない。
ステーキや焼き肉ではとろけるような上質な脂身が好まれますが、
煮込むような用途であれば逆に脂のノっていない赤身や固い肉質の方が良いです。
煮込むことで繊維がほぐれて柔らかくなりますが、脂ノリノリの肉だと脂が逃げてパスパスの食感になったりします。
適材適所がありますので、焼いて食うなら脂ノリノリを、煮込むならノラナイノラナイ(?)の肉を。
流通や販売において、商品の記載の裏にはこういったカラクリがありますので、
みなさんしっかり吟味して、ハッピーな牛肉ライフを楽しみましょう。
それではまた次回、別の畜産小話でお会いしましょう。