さいじょーさんの「好きな元素はタングステン」

これは文句やない。世直しや。

卵黄の赤い卵は栄養価が高い!?

こんにちは、さいじょーです。

 

 

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畜産物のあれこれ第2弾!!

 

 

本日は卵についてです!

 

 

 

さて、そもそもの卵の構造のお話をしましょうか。

 

ニワトリの(他の鳥もそうなのか?)卵というのは、こうなってます。

 

 

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ほんとは卵殻膜や卵黄自体にも層があったり、もう少し細かな分類というものがあるのですが、

普段皆さまが目にするもので言えばざっくりこんな感じです。

 

 

また今度、ゆっくり卵の中身をじっくり見てみてください。

卵白が2種類あったり、卵黄の表面にポチっとしたものがあったり、おもしろいですよ。

 

そしてその、卵黄のポッチ。じつはここがヒヨコになる部分なんです。

卵黄というのはただの栄養分なんですね。

 

 

 

 

それでは本題、この鶏卵についての記事では誤解しやすい卵のあれこれをご紹介。

 

 

 

 

◎卵黄の色が濃いものが栄養価が高い?

 

 

 

そんなことありません。

 

卵黄というのは飼料、つまりニワトリが食べた物の色素によって左右されます。

 

もっと正確に言うと、黄色や赤色の要素を持つカロチノイド系の色素が沈着します。

 

普通、ニワトリをはじめとする家畜の飼料の多くは、安価で栄養価も高いトウモロコシが主流として使われています。

そのトウモロコシの黄色の成分が卵黄の色を作っているのです。

 

 

TVなんかでよく見るうえに、もてはやされている赤みが強い卵黄については

パプリカやニンジンといった赤色系の色素を持つ野菜、もしくは着色料を飼料に添加することで卵黄に赤色を移しているわけです。

 

なので卵黄が赤いからと言って栄養価が高かったり、値段が高価、ということには繋がりません。

 

 

そしてたまに見るのが、「高栄養価の餌を与え、ビタミンEが豊富!」みたいな謳い文句をくっつけた高価な卵が売られてたりします。

まぁそれなりに栄養価が卵に移るのかもしれませんが、正直、微々たるものです。

 

というよりビタミンEを摂取したかったら他の物食え。

安い卵買って余ったお金でアーモンドとか魚とかピーナッツ食え。バカか。(おっと失敬。)

 

 

 

少し特殊なものでは、飼料に含まれるトウモロコシを玄米に換え、色素なしの飼料を与える場合がわずかながら存在します。

これは餌代が高くなるため卵の値段も少し高価になるのですが、ほぼ真っ白に近い卵黄が生まれます。

 

特殊な卵として扱われたり、

製菓として使用した際に、白いスポンジやカステラの生地ができあがる、という用途で使われることがあるようです。

 

 

 

ちなみに僕は農業高校生時代、自分で管理していたニワトリに青色の色素をバカほど食べさせて緑色の卵黄を作ろうという実験を卒業論文として提出しました。

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CG無しでこれ再現したかった。。。

どうやらほんとに沈着する色素はカロチノイド系だけらしく、青色の色素ではなんの効果もありませんでした。笑

でも成績はクラスで1番取りました(*'ω'*)♪

 

 

 

ということで卵黄の色は、ただの色素の沈着。栄養素価にはほとんど関係ありません!

 

 

 

 

 

◎卵黄を箸や指で摘まめたらいい卵?

 

 

そんなことありません。

 

先ほどの卵黄の色もそうですが、TV等のメディアが悪いですね。

何かにつけて栄養が高いだとか高価だとかに繋げたがるし、バカみたいな芸能人がバカみたいな顔でリアクションをする。

間違った情報をオーバーに提供するせいで消費者に誤解が生まれるのです。

 

しかし卵黄が指で摘まめる卵は存在します。

それは、「新鮮な卵」つまりニワトリが産んでからの時間があまり経過していない卵、です。

 

新鮮であれば、1パック500円する卵でも、98円で売られている卵でも卵黄は指で摘まめます。

 

卵黄の丈夫さというのは栄養価や、高級か否か、ではなく新鮮さがカギを握ります。

 

 

新鮮、という意味ではいい卵なのかもしれませんが。 

とはいえ卵というものは20℃前後の常温の場合、1ヶ月~2ヶ月は平気でもちます。

スーパーでも冷蔵の棚には置いてないでしょう?

 

一番ダメなのは温度変化。一度家庭で冷蔵庫に入れてしまった場合は冷蔵をキープしたまま早めに使い切ってください。

 

しかし品質に問題はなくとも、やはり鮮度は劣化してきます。

卵かけご飯のように生食に使うには新鮮に越したことはないですよね。

 

 

ではこぼれ話。新鮮な卵の特徴。

 

 

まず先ほどのとおり、卵黄が丈夫なこと。

 

これに関連するのですが、丈夫であるということはハリがあるということ。

割って中身を取り出したときに、卵黄・卵白ともに盛り上がっていることが新鮮な証です。

 

図解を見てほしいのですが、卵白には2種類、

サラッとした水様性卵白と、プルっとした濃厚卵白があります。

 

新鮮な卵ほど濃厚卵白の割合が多いです。これが時間が経つにつれて徐々に水様性卵白へと変化していきます。

 

 

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卵黄も膜のハリが失われてぺったんこになっていきます。

 

そして気室が狭いこと。

時間経過で蒸発に伴う中身の収縮で気室が広がります。

 

 

とまぁこんな感じですので参考までに。

古い卵の方がゆで卵にしたときに殻が剥けやすいそうですね。理由は知りませんが。

 

 

 

 

 

卵についてのあれこれ、実はまだまだご紹介したい内容があるのですが

長くなりましたので後編に持ち越しましょう!

 

 

 

それでは、ごきげんよう